技工室より ……………………………………………… 歯科技工士:小川 英

患者の皆様へ技工室よりワンポイントアドバイス

当医院技工室(ラボ)は診療室と密接な関係でありながらも別の空間であり、また歯科医師や衛生士と業務内容を異にすることから診療を側面的に見ることができる環境でもあります。また私は当医院の患者でもあります。そんな立場から患者の皆様にワンポイントアドバイスです!!


自由診療を薦められたら

自由診療とは・・材料、術式、治療時間などに制約がなくベストな治療が可能な診療です。

非常にすぐれた材料を使用します。
例えば一本の歯に冠(クラウンといいます)を被せる治療をすることを考えてみましょう・・
当医院では自由診療用の金属のひとつとして白金加金(金68.5%白金3.0%銀12.0%パラジウム4.0%etc CENDES&METAUX社 P-3スイス製)を採用しております。
このような高カラット合金の長所をあげますと、

保険診療で認められている金の含有率は12%までですのでその金属の格差はかなり大きいものがあり装着してから時間が経てば経つほどその差がはっきりとしてきます。

ということで非常ににすぐれた金属を使用することで「自由診療で治療してもらおう!!」とお決めになる方も多くいらっしゃるかと思います。すぐれた材料を制限なく使用し治療していくわけですからその価値はとても高いものがあります。
しかし、もし私が患者であったならば高品質の材料を使用するというだけでは自由診療は「ノー」です。
すぐれた材料を生かすだけの歯型が採れてる?
ここからは私が歯科の仕事に携わっているがゆえの見解かもしれません。参考にしていただけれは幸いです。
高カラット合金は「ミクロンメーター級の精度で歯にすきまなく装着できる」、高性能な金属ですからそれに見合った歯型が採得されていなくては充分に生かせないのではないでしょうか?当医院では歯肉圧排という方法で歯を削った部分と削っていない部分の境目(マージンといいます)をくっきりと模型上で再現しています。この境目(マージン)をミクロンメーター級の精度で冠を製作することが二次カリエスの予防、セメント漏洩の防止など非常に重要になります。


写真を見ていただければご理解できると思いますが圧排されていない模型は歯肉と削った歯の境目がはっきりしておらず精度の高い冠(クラウン)を製作することは非常に困難になります。



当医院での歯型の採得の基準は境目(マージン)がはっきり識別できることです。万が一不鮮明な部分が技工室で見つかった場合は冠(クラウン)の製作はせず、もう一度歯型の採得をお願いしています。

精度の高い模型に精度の高い金属・・肉眼での製作は不可能。

自由診療では精度の高い模型に精度の高い金属が用意されます。したがいまして境目(マージン)やデリケートな部分の製作は全て実体顕微鏡下での作業になります。


冠(クラウン)を患者さんに装着するとき・・
技工室ではさらに咬合器という咬み合わせや咀嚼運動を再現する機器を使って理想的な咬み合わせ、隣の歯との接触圧力などを調整し完成させます。
いよいよ診療室で患者さんに装着するわけですが、ここでも歯科医師、衛生士と複数の目でいろいろな器具を使って高カラット合金が充分に生かされているかチェックされます。万が一不十分と判断された場合には再製作となります。
このように当医院では二重三重のチェックを通って高カラット合金の冠が患者の皆様のお口に装着されるわけです。
自由診療は費用の面を考えますとそう簡単にはお決めになれない部分もあるかと思いますが、私は自信を持ってお薦めすることができます。
自由診療を薦められたときには、どうぞ歯科医師や担当衛生士のお話を納得いくまでお聞きすることをお薦めいたします